2025/10/29

食育No.1企業に向けた社内認定資格制度の推進「第二回食育インストラクター認定式」の開催

フードサービス保育園給食委託

2025年10月29日（水）、シダックスフードサービス株式会社保育給食運営事業本部は「第二回食育インストラクター発表会および認定式」をハイブリット形式（大崎会場およびZOOM）で開催。保育給食事業本部に所属する6名の管理栄養士・栄養士・調理師を食育インストラクターとして認定しました。昨年度の認定者と合わせて全国で8名となります。
「食育インストラクター」とは、2021年より保育給食事業本部が発足させた、保育事業に特化した社内認定資格制度の最上位資格です。資格は「保育社内認定資格制度【初級】」「保育社内認定資格制度【中級】」「食育インストラクター」と段階的に取得していく仕組みです。

園の食に関わる課題解決に向けた食育実践者の人財育成

現在、給食サービス事業において、調理や配膳といった実務教育を行う仕組みは一般的です。しかし、「園児の食に関わる課題を特定・明確化し、その解決に向けて園側と一体となって取り組む一連の流れを体系化」し、それを実践・指導できる人財を育成する食育特化型の認定制度を構築しているのは、当社オリジナルの人財育成制度です。本制度は、食育を単にお楽しみとしての「イベント的」に行うことではなく「どの課題を解決するために食育を実施するのか」という目的を明確にした課題解決型の食育のスペシャリストを輩出することを目的としています。

本制度は以下の3段階で構成され、今回認定された6名は、このピラミッドの頂点に立つスペシャリストです。

【初級】保育社内認定資格制度 保育指針や関連法規、乳幼児の発達など、保育給食の基礎を習得。全国で74名を認定（2025年12月時点）
【中級】保育社内認定資格制度 食育の実施計画・報告を繰り返し、実践力を養う。全国で14名を認定（2025年12月時点）
【食育インストラクター】課題解決型の食育計画（食育フレームワーク）を立案し、地域支援や指導まで行えるレベル。講習、実践、そして最終発表を経て認定される。全国で8名を認定（2025年12月時点）

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保育給食事業部における従業員教育制度の体形図

「第二回食育インストラクター」の認定テーマと認定者

「第二回食育インストラクター」の認定者および、認定テーマと内容を紹介します。

「食を楽しむ子どもに～郷土料理を通じて食への興味を高める～」東京・西関東営業所　尾形千穂

昨年度より実施している毎月の「郷土料理」の残食が通常献立より多いことが課題でした。そこで、食べ慣れない料理、知らない料理を「食べてみたい」と意欲的に食を楽しむ園児を育むことを目的に「①月１回の郷土料理の提供」と「②郷土料理や地域に関する食育の実施」に取り組みました。その結果、4、5歳児クラスの残食が減少したことや、園児からは「次はどこの郷土料理？」と郷土料理の日を楽しみにする声や、保護者様に食育の内容を話す園児の姿が見られました。園長様からも「地方により味付けや食材の違いがあることを知れる良い機会なので今後も続けて欲しい」と評価していただきました。今回の活動を通じ、一方的に「話す」のではなく、言葉選びや難易度を工夫して「伝える」ことの重要性を学びました。今後は郷土料理だけでなく日常の給食でも園児たちがより意欲を持てるような取り組みや、家庭への情報発信も含めた活動を継続していきます。

「スペシャルお野菜メニューで野菜を美味しく食べよう」中部・近畿・中四国営業所　柴田あつみ

5歳児クラスにおいてブロッコリーやなす、青菜といった野菜の残食が多いことが課題でした。そこで、苦手野菜にも前向きに挑戦することを目的に「①園児たちのヒアリングにより園児たちが希望する味付け・調理法を取り入れたスペシャルお野菜メニューの提供」および「②実物食材の提示やクイズ、紙芝居を用いた啓発活動」に取り組みました。その結果、野菜が苦手な園児の盛り付け量が増えるなど行動に変化がみられ、給食への関心や挑戦する姿勢が育まれました。また、保育士様からも前向きな意見や提案が増えるなど、クラス全体で食育への理解と協力が深まる効果がありました。今回の活動を通じ、現状分析や目標設定、園側との連携の重要性を学ぶとともに、フレームワークを活用した計画の見直しによって、より効果的な食育を実践できるようになりました。

「『噛んで食べると美味しいよ』～噛む習慣を育てる～かむかむ給食」北海道・東北営業所　西村素笛

当園では、麺類やカレーなどよく噛まずに食べられる献立が好まれ、食材を噛まずに流し込む、かき込んで食べるなどの咀嚼に関して課題がありました。咀嚼力の弱まりは誤嚥事故のリスクにも繋がるため、楽しく噛む習慣を育てることを目的に「①月ごとのテーマに沿った『かむかむメニュー』の提供と給食時の声掛け」および「②パペットや紙芝居、リズム歌を用いた食育」に取り組みました。その結果、よく噛まない園児の咀嚼回数が増加、食事時間も改善される成果が得られました。園児からは「ごはんが甘くなった」といった味覚の変化や咀嚼を楽しむ声が聞かれ、保育士様からも「噛むことへの意識付けが定着した」と高い評価をいただくことができました。今回の活動を通じ、習慣化や偏食改善には、より早期の乳児期からの働きかけも重要であると再認識したため、今後の計画的な食育活動へと繋げていきます。

「箸を上手に使って給食時間を美味しく・楽しくしよう！」東京・西関東営業所　中川知子

当園では、以上児の箸の持ち方や食事姿勢といったマナーが定着しておらず、家庭でもしつけの時間が取りにくい状況が課題となっていました。そこで、専門職の視点から「①オリジナルイラストや手作り練習ツール、スタンプラリーを用いた指導」「②アジの塩焼きを用いた尾頭付きの魚の食べ方実践」に取り組みました。その結果、開始時に3割強だった箸の正しい保持者が、5か月後には8割弱まで向上しました。スタンプラリーには8〜9割の園児が毎日取り組み、家庭での意識付けにも繋がったほか、園側からは「練習ツールがあったことで、継続的な練習ができ、箸を正しく持てることが、就学に向けた自信に繋がった」と高い評価をいただきました。今回の活動を通じ、中長期的に継続することの大切さと、計画・評価のサイクルを回す効果を実感しました。今後は掲示物の更新頻度を高めるなど飽きさせない工夫を取り入れ、卒園までに全員が正しく箸を持てるよう、一貫した指導を継続していきます。

「食事でお箸を持とう！使おう！」北関東営業所　金谷延子

当園でのお箸トレーニングは年齢・個々に合わせたペースで進めること、また夕方延長迄の保育の園児が多いため、家庭での練習も進まずフォーク・スプーンを使用していることが課題でした。また過去の食育が単発の「イベント」で終わっていたため、日常の食事で定着しないという悩みもありました。そこで、日本の食文化継承と定着を目標に「①ステップに応じたお箸の持ち方・使い方の練習」「②無理強いしない『お箸タイム』の設定」に取り組みました。その結果、当初はフォークを使用していた4歳児も正しい持ち方が身につき、5歳児においては8月中旬に全員がお箸での食事を達成することができました。園側からは「時期も適切で、食育として取り組めて良かった」とのお声をいただき、保護者様も家庭で普通の箸を用意されるなど、園と家庭の双方向で意識の変化が見られました。食育は継続が重要だと再認識したため、今後も施設側と密な情報共有を行い、園児たちが自然にマナーを身につけられるよう進めていきます。

「食事を楽しい時間に！様々な料理に挑戦する力を育む」北関東営業所　田森美奈

当園は園主催の行事は多いものの、給食室側と園児の関わりが少なく、新しい料理や行事食への食べ進みが悪いことが課題でした。そこで、食への興味・関心を高め挑戦する力を育むことを目的に「①旬の食材やゲームを取り入れた体験型の食育活動」「②ミールラウンドによる食材カードの活用とポジティブな声掛けの徹底」に取り組みました。その結果、とうもろこしの皮むき体験を行ったクラスで残食がゼロになるなど、食育と連動した献立の喫食率が大幅に向上しました。また、偏食だった園児が初めて完食しクラス全員でお祝いする場面が見られるなど、園児たちの食事に対する姿勢が前向きに変化し、園側からも「活動が定着し、食べられる園児が増えた」と厚い信頼をいただくことができました。今回の活動を通じて、単なるイベントではなく「どう食べることに繋げるか」という意識を持つ大切さを再認識しました。先生方とも食べない園児へのアプローチを話し合うなど、園全体で協力し合える体制が築けたことは非常に貴重な経験となりました。今後も園児たちの食の土台作りに貢献できるよう、この取り組みを継続していきます。

食育No.1企業に向けた社内認定資格制度の推進「第二回食育インストラクター認定式」の開催

シダックスフードサービス株式会社は、今後も独自の認定制度を通じて専門性の高い人財を輩出し、未来の子供たちのために「安心・安全」な食事提供と食育活動に力を入れて取り組んでいきます。