- 岐阜県美濃加茂市の情報
- 人口:56,816人(2018年9月1日現在)
- 面積:74.81平方km
私たちシダックスグループは、「SDGs」の取り組みに力を入れています。
岐阜県南部の美濃加茂市に位置する、総面積107ヘクタールの広大な県営公園が「ぎふ清流里山公園」です。「人と自然が共生する里山の暮らしと文化に親しむ」をコンセプトに、もともと「日本昭和村」として親しまれてきた施設群をリニューアル。2018年4月にリニューアルオープンしたこの公園を、共同事業体の代表企業として受託運営しているのがシダックスです。10カ所の飲食施設、10カ所の体験施設をはじめ、温浴施設や道の駅もあるエリアを、116人のスタッフで運営しています。「岐阜県は、4つある県営公園を、県外からの誘客と地元の方の福祉に資するために大切にしておられます。この公園もその一つとして、魅力を高めるリニューアルに本気で取り組もうとされていることを感じ、私たちも想いを持って指定管理者選定のプロポーザルに応募し、運営を任せていただくことになりました」(シダックス トータルアウトソーシング営業推進本部 岸野輝彦)。全国で道の駅や温浴施設、観光施設を受託運営しているシダックスでも、様々な施設を含む県営公園のトータルな受託は初めてのこと。しかし、全国各地での施設運営の経験に基づいた提案と、美濃加茂市を含む周辺では多くの学校給食などを受託運営し、地域に根付いていることが評価され、受託が決定。それまで勤務していた方たちにもシダックスに転籍していただく形で、広大な公園運営へのチャレンジが始まったのです。
多くの人にもっと気軽に足を運んでもらえる場所になるために、それまでいただいていた入場料をリニューアル後は無料にすることを県は決定。これが公園の可能性を大きく広げることになりました。「入場料の無料化により、この場所のいろんな活用の仕方が描けるようになったんです。他県からも近隣からも、子どもたちにもお年寄りにも、来ていただきやすくなり、それぞれの楽しみ方を見つけていただけるようになりました」(近畿・中部・北陸支店副支店長 大塚義明)。「他の場所に向かう団体旅行の方々にも、昼食や買い物などの休憩場所としてお勧めしやすくなりました。まず立ち寄ってもらえれば、この公園の良さを感じてもらえると思いますので」(副所長 岡山求)。もともと充実していた体験プログラムに加え、リニューアルオープンに向けて、次世代遊具「インモーション」、愛犬家のためのドッグラン、疲れを癒せる足湯コーナー、スイーツが美味しい「里山カフェ」など、ワクワクするコンテンツを増強。テレビや新聞、ムック本など、多くのメディアでもオープン前から注目して取り上げられ、2018年4月8日、「ぎふ清流里山公園」としてリニューアルオープンすると、なんと1日に約9,000人が来園。スタッフたちは嬉しい悲鳴をあげることとなりました。その後も1日1,500人から2,500人の来園が続き、入場料を無料にしても食や体験、お買い物をしていただくことで収益を上げていく運営スタイルに確信を持つことができました。
より多くの来園者を迎えるようになり、そば打ち、せんべいの手焼き、アイスクリームづくり、万華鏡づくり、陶芸教室などの体験施設もリニューアルオープン以来、賑わっています。「小学校低学年でも自分でつくることができるように、材料を渡すだけでなく、丁寧でわかりやすい説明をスタッフが工夫しています。この夏は風鈴づくりが大人気でした」(体験・物販部門責任者 越智勝利)。今後は畑や田んぼでの作付けや収穫の体験など、里山の農業ももっと体験してもらおうと準備が進んでいます。そして、道の駅「おんさい館」を含む7つの物販店舗は、公園の収益の柱を担う場所。岐阜のおいしいものを揃え、なかでも美濃加茂市のものを発掘、開発し、押し出していこうと企画中です。「美濃加茂の堂上蜂屋柿というブランド柿を使ったフィナンシェはぜひ食べてみてください。秋の栗きんとんもおすすめです」(越智)。さらに10カ所の飲食施設でも、地元産の食材を使った新メニューを開発。農家レストラン「やまびこ」で始めたたくさんの野菜が味わえるサラダバーも好評です。公園のいちばん奥の里山ふれあい牧場では、羊、山羊、ブタ、鶏、うさぎ、モルモット、犬、馬たちも生きています。「モルモットを抱っこして、あ、あったかい、生きてるって子どもたちが感じてくれるのが嬉しい」(動物管理部門 責任者 舟橋枝里)。これだけ盛りだくさんな体験や物販、飲食施設を多くのスタッフで運営していると、訪れた方たちもどこに行こうか迷いがちです。「今日は向こうでこんなイベントをやっていますよ」「カフェで新しいメニューが発売されたんですよ」。多様な楽しみをお客様に紹介できるように、スタッフみんなでの情報共有に今まで以上に力を入れています。
「地元、美濃加茂市の団体から、公園内のこの場所をこんな企画に使えないだろうかといった問い合わせも多くなりました。今まではこの場所を訪れるゲスト側だった方たちが、自分たちの企画で公園を活用して、ホストとして盛り上げていこうという発想が生まれています」(副所長・公園管理士 奥村憲司)。たとえば能楽堂でジャズコンサートができないかという声があったり、寺子屋活動の場所として使いたいという声があったり、ソーラーカーの学生大会を開きたいというアイデアがあったり。「公園法」という国の法律や、県営公園としてのルールもあるため、何でもすぐにできるわけではありませんが、少しずつ新しい活用が形になり始めています。「この夏も、美濃加茂市にインターンシップに訪れた大学生が、能楽堂で子どもたちの夏休みの宿題を見てあげたりしていました。もっともっと里山の植物や生き物についてのフィールドワークを行うなど、子どもにも大人にも学びのある場にしていきたいと考えています」(奥村)。「地元にこういう場所があってよかったなあって思ってもらえる場所にしたい。アイデアや意見を集めて、実現する方法を考えていきたい」(所長 河合哲也)。「シダックスがこの地域で受託運営している学童保育の施設とも連携して、校外学習にこの場所を使うことなども検討しています」(岐阜北営業所長 大村暎貴)。もはや公園というよりは、地域の交流や教育活動、文化振興の拠点として、この場所が新しい役割を担っていきそうです。
「入場無料になったことはだいぶメディアでも取り上げていただき、周知されました。今後は、充実させている中身をどんどん発信して、何度も来ていただける公園にしていきたい」(広報・イベント部門 責任者 清水祐志)。「リニューアル後は、公園全体がとっても明るくなりました。一人ひとりのお客様への、スタッフのおもてなしの意識も高くなっていると感じます」(広報・イベント部門 小栗政子)。公園全体の統括責任者、村瀬貴子が心がけているのが、現場の方たちが気持ちよく働ける場づくり。「公園を回り始めると、あちこちでスタッフからもっとこうしようと声をかけられて、なかなか事務所に戻って来られなくなります。でも現場の声がいちばん大事。しっかり受け止めて、現場の想いをどんどん引き出していきたい」(村瀬)。ちょうど取材に訪れた日は「里山夏まつり」がスタートする日。大勢のスタッフが金魚すくいやアマゴのつかみ取り、ヨーヨー釣りなどの準備をしていると、子どもたちが続々と集まって来ました。アマゴのつかみ取りに大はしゃぎする孫たちを嬉しそうに見つめているおじいちゃんは、「孫たちが帰省してくるたびに連れてきています。ここは安全に遊ばせられるのがいいね」と話してくださいました。思いっきり遊ぶ子どもたちの姿と、それを見つめながら嬉しそうなパパ、ママや、おじいちゃんおばあちゃん。そんなふうに幸せそうな人の姿を見られるのが公園の仕事の喜びだと、スタッフたちは言います。広大な土地を除草したり、電気や水の供給を管理したり、施設を修繕したり、危険を取り除いたり。公園運営はたくさんの地道な仕事の連続です。でも、喜ぶ顔をみると苦労も吹き飛んで、気づけばまた頑張っている。そんなスタッフたちが、今日も開園の準備をしています。もっとここを、人も自然も、生きている喜びに満ちた場所へ。これからの公園づくりに挑む、ぎふ清流里山公園にご注目ください。