- 東京都調布市の情報
- 人口:234,674人(2017年10月1日現在)
- 総面積:21.58平方km
「障がいのある人に永続的に働いてもらうためには、シダックスグループの全従業員が障がいに対する理解を深めること。それが必要不可欠と考え、特例子会社設立を経営陣に提案し、設立にこぎつけることができました。シダックスグループには多くの仕事があり、会社の工夫と本人のモチベーション次第で様々なことが実現でき、双方にとってメリットのある、さらに働きがいのある職場をつくることができると考えています」(代表 保永茂樹)。
シダックスオフィスパートナー調布事業所長を務める佐藤功晃は、筋肉が萎縮する病気を発症し、車椅子での生活をしています。もともとは調理師で、志太調理師学校で調理師免許を取り、ある企業の社員食堂で調理をしていた時期もありました。しかし20歳頃に病気を発症し、車椅子生活へ。それからは管理本部の会計業務担当となって、ときどき休職しながらもシダックスグループで勤務をしてきました。シダックスオフィスパートナーが発足してからは、調布事業所で、会計業務グループのリーダーとして、7人のメンバーとともに、グループ各社の小口伝票や納品伝票、クレジット伝票の整理、印刷業務などを担当しています。「とにかく日々、一人ひとりと向き合って、障がいや性格を理解し、少しずつ信頼関係のベースをつくってきました。6年目に入ったとはいえ、まだまだこの仕事のやり方が正解という自信はなく、通過点です」。精神障がいのために過剰に人の目を気にしてしまって休みがちになるメンバーとの関わりでは、どうすれば安心して働いてもらえるのか、障がいを学んで環境づくりをしたり。時には起こる失敗をフォローしたり。自身も車椅子という不自由を抱えながら、様々な障がいを持つメンバーをマネジメントしてきました。「しかし、できないだろうと勝手に私が思い込んでいただけで、やってみてもらったらすごく得意で驚いたりすることもあります。できることが増えているメンバーもいます」。そんなときの感動が佐藤を支えてきました。
「障がいを持つ人にもできることはたくさんあります。あなたがいてくれて助かるよと言ってもらったり、現場の愛されキャラになっているメンバーもいます。少しずつ私のコーディネートなしでやっていけるようにするのが理想です。すっかり職場になじんでいるメンバーを見たときは、嬉しくて、帰り道に一人でガッツポーズをしています」。
「平成28年度障害者雇用職場改善好事例募集」(主催:独立行政法人 高齢・障害・休職者雇用支援機構)で、最優秀賞(厚生労働大臣賞)を受賞できたことは、佐藤たちにとっても大きな励みとなりました。新しい支え合いの社会をつくるためには、まだまだ途中。これからも挑戦は続きます。