500の仕事、シダックス。

芸術の里を育む仕事芸術の里を育む仕事

case study | 長野県池田町の場合

町立美術館で、芸術作品との出会いや体験をプロデュース。

長野県池田町の情報
人口:9,906人(2018年8月1日現在)
面積:40.16平方km
長野県池田町地図
sustainable development goals
4.ジェンダー平等を実現しよう
8.産業と技術革新の基盤を
9.人や国の不平等をなくそう
11.つくる責任、つかう責任
17.

私たちシダックスグループは、「SDGs」の取り組みに力を入れています。

北アルプスの壮大な眺めも楽しめる町の美術館をシダックスが受託管理、運営。

人口約1万人。長野県の北安曇郡にある池田町は、明治、大正、昭和と養蚕による製糸業の町として発展した町。産業だけでなく、江戸時代から子どもたちすべてが学べる学校「池田学問所」が開かれたりと、教育や文化も大切にしてきた歴史のある地域です。「『美しい町づくり』というビジョンを持って、今も様々な魅力づくりを進めています。カモミールやラベンダーなどのハーブの里としても盛り上がってきているんです」(甕聖章<もたいきよあき>町長)。この美しい池田町を象徴するような場所が、町立の「北アルプス展望美術館」です。正面に北アルプス連峰と安曇野の広大なパノラマを一望できる高台に、1994年に開館。町にゆかりのある画家の絵画など約1900点を収蔵、展示してきました。しかし、管理コストを抑えながら魅力を高め、来館者を増やすにはどうすればいいかという難しい課題を抱えていました。そこで実施された指定管理者のプロポーザルで選ばれたのが、私たちシダックスでした。「町の中だけの狭い視野ではなく、外に向かっての発信力を持っていたシダックスさんを指定管理者として選びました」(甕町長)。多様な施設運営を担ってきたシダックスでも、美術館の管理は初めてのこと。学芸員資格を持つメンバーを含む6人で、2015年から美術館運営の新しい道を探る挑戦が始まっています。

美術館にもっと足を運んでもらいたい。モンスターが町にやってきた。

池田町にゆかりのある画家たちの描いた素晴らしい絵画が数多く収蔵されている「北アルプス展望美術館」。たとえば、安曇野の山と田園、人の営みを描き続けた山下大五郎の作品からは、この土地への愛着が伝わってきます。この町の財産を多くの人に観ていただくため、スタッフは小中学校や地域の方々に働きかけ、出張授業や生涯学習講座など、開かれた美術館へと変えていく取り組みをスタートしました。しかし、美術なんて自分に関係がない、美術館は敷居が高いと思っている人が多いのも現実でした。そこでメンバー全員でアイデアを出し合い、知恵を絞って、2016年の夏に開催した企画展が「モンスターマスク展」です。リアルな造形表現でつくられ、映画などで使用される精巧なモンスターマスクを70点、国内外から集めて展示。展示方法も工夫し、暗くした館内を懐中電灯で照らしながら鑑賞するというスタイルで開催。すると、町外、県外からも多くの人が訪れる大ヒット企画に。「自転車で何度も観にきてくれた町の小学生もいて、自分から美術館に行きたいと思ってくれたことが嬉しかった。何が喜ばれるかから考え、それを作品によって実現するという発想の大切さに気づきました」(田原祐次副館長)。多くのリクエストがあり、モンスターマスク展はバージョンアップして翌年の夏も開催。NHKの情報番組でも取り上げられ、美術館への来館者数増にも大きく貢献することとなりました。

池田町は焼物の歴史ある土地でもある。地元陶芸家の活動をバックアップ。

池田町は良質な粘土が産出される土地で、古代から焼物の職人がこの地で器や甕を生産し、中世には瓦が焼かれていたりと、焼物の歴史もあります。江戸時代になると、素朴な飴色の「相道寺焼」と呼ばれる焼物が土地の産業として発展しました。大正の頃に途絶えつつも、昭和40年代に「相道寺焼」は有志によって再興。その伝統を受け継ぐのが宮澤弘幸さんです。現在も築150年の建物で、創作活動や陶芸体験の指導を行っています。「私は6歳の頃から父に教えられて始めました。冬は寒さが厳しく、粘土も凍る。それでも池田町に陶芸家が集まるのは、創作に与えるいい影響があるのだろうと思います。美術館のあるクラフトパークでも、子どもたちに陶芸を体験してもらいながら、この土地の歴史をお話ししています」(宮澤弘幸さん)。自然の豊かさに惹かれて、創作の拠点を池田町に設けている陶芸家は多くおられます。「朝のウォーキングでみつけた草花や、夕焼けの美しさが表現の題材になることもあります」(陶芸家 篠田明子さん)。このような地元の作家の活動を、北アルプス展望美術館としてもバックアップしようと、年に一度、美術館で「クラフト展」という展示・販売会を開催しています。高価な作品だけでなく、日常使いできる素敵な器もあり、使う人とつくる人をつなぐ大切な場となっています。

「今日は粘土でシーサーをつくってみよう」。

町の小学校の子どもたちとの「美術クラブ」活動も、美術館スタッフで月に1回、行っています。今年度の1回目は、美術教員をされていた地域の方を講師に招き、オーブンで焼ける粘土を使って「幸せを呼ぶシーサー作り」を開催。1年生から6年生まで15人の子どもたちと、その親御さんと、粘土の感触を楽しみながらシーサーをつくりました。「ものをつくるときの子どもたちの集中力には本当に驚かされます。一緒に何かをつくるって、親子のコミュニケーションにも、とてもいいこと。私も小学生の頃にやった陶芸体験は今も覚えています。夢中でつくった思い出は、人間的な心の成長につながるのではないでしょうか」(倉科智幸 館長)。子どもたちそれぞれの工夫が凝らされたシーサーは、美術館でも今後、展示する予定。「作品をどんなふうに展示して観てもらうか、私たち学芸員の仕事を体験してもらうワークショップも行います。ライトを当てて作品がきれいに見えたときは、子どもたちからも歓声があがります」(学芸員 吉成見奈子)。

つくるって面白い。誰かを喜ばせられるって最高!

ユニークな夏の企画展や、美術クラブの活動を重ねてきて、町の子どもたちにも身近な場所になってきた「北アルプス展望美術館」。2018年の夏は、思わず食べそうになるリアルな食品サンプルや、もはや再現の域を超えた表現力豊かなアート作品が楽しめる「FOOD SAMPLE展〜ザ・リアル〜」を開催中。これも学芸員の吉成を中心としたスタッフたちのミーティングから生まれた企画。「それはいけるかも」「やってみよう」。池田町の人気飲食店のメニューのサンプルも新たにつくって展示に加えたりと、アイデアを盛り込んでつくりあげ、予想を超える来館者が訪れています。「高額なお金をかけて有名な絵画を借りてくる従来の美術館の企画スタイルではなく、メンバーみんなで意見し合いながらつくった企画で、ちゃんと成果が生まれていることが嬉しいです」(シダックス松本営業所 下沢義光)。アートとは、美術館とは、こうでなければならないという枠組みにとらわれず、ものをつくるって本当に面白くて、誰かが喜んでくれるって本当に胸がいっぱいになるんだという大事なことを、北アルプス展望美術館は発信し始めています。

500の仕事で、人を支えていく。町を支えていく。この日本を支えていく。

給食業務

  • 受託開始日:2015年4月
  • 従業員数:6人
  • 学芸員数:3名
  • 年間来場者数:大人 約15,000人/子供 約1,300人
  • 年間企画展開催数:5回
  • 年間ワークショップ開催数:20回
  • 所蔵作品点数:約1,900点
  • 交流のある地元芸術家:約30名
  • 営業時間:9時〜17時
  • 美術館敷地面積:5,980.34㎡

※2018年7月現在の情報です。

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